瓦が日本に伝来したのは、今から約1,400年くらい前のこと。淡路島の瓦づくりは、その後しばらくしてから始まりました。淡路島で瓦がつくられた理由は、土にあります。島内から、採掘される良質の原土が、淡路瓦の伝統と技術を培ってきたのです。
また、淡路島のある兵庫県南部は、山陽道などが通る交通の要衝であり、瀬戸内海を使った海運の発達により、都をはじめ、日本各地に淡路瓦が運ばれたことは、容易に想像できます。日本の歴史のなかでも多くの足跡を残してきたことでしょう。
現在、建築等で使われている瓦のほとんどは、愛知県三河の三州瓦、淡路島を中心とした淡路瓦、そして島根県の石州瓦の三大産地でつくられています。私たちが目にする日本瓦は、大きく分けて燻化してつくるいぶし瓦と、釉薬を使った陶器瓦に分類され、淡路瓦と三州瓦が主にいぶし瓦を生産。そのなかで淡路島は、いぶし瓦の生産量で全国一を誇っています。
表面に炭素膜を形成させる独特の製法から生まれるこのいぶし瓦は、銀色に淡く輝く色艶、しっとりとした風格から根強い支持があり、なかでも色艶と色もちで群を抜いている淡路のいぶし瓦は、まさに、日本瓦の代名詞と言っても過言ではないでしょう。
私たち緑窯業株式会社は、このように素晴らしい淡路瓦を、より多くの人に知ってもらいたい、
そして使ってもらいたいという思いから、新製品の開発、生産、普及など、あらゆる面での活動を拡大。瓦づくりを通して、淡路島に根づいた日本の伝統の技と知恵を、次代に伝えていきたいと考えています。
台風や地震など、自然災害の多い日本では、屋根材を選ぶにも、より慎重を期す必要があるでしょう。その点瓦は、素材自身が強度や耐圧性に優れているだけでなく、形態上のアイデアや施工法による工夫で、衝撃によるズレや落下を防止。安心してお選びください。
建築基準法に明記されている通り、完全な不燃材である瓦は、火災のときでも割れたり、溶けたり、有毒ガスが発生したりすることがありません。特に淡路瓦は1,000~1,060℃の窯でじっくり焼き締めますから、耐火性は折り紙付。逆に屋根からの類焼を防ぎます。
瓦は、夏涼しく冬暖かい特性を持っています。その重なり部分には、空気だけを通す道があり、屋根全体がエアコン状態。さらに瓦自身も熱を反射します。また高温で焼き締められた瓦は、熱伝導率が低く断熱性に優れていることから、冬場でも安心。四季のある日本の住宅には最適の屋根材です。
瓦はかつて、寒冷地では活用されませんでした。それは瓦なかの水分が凍結して、亀裂や剥離が発生したからです。しかし今は、吸水率の抑制や強度の増大など、品質が向上されたことから、北海道、東北などの北国でも使われるようになりました。
熱材として使われるアスベスト公害が問題になっています。でも瓦屋根にはそんな心配はいりません。瓦はもともとナチュラルな素材。人にも環境にもやさしい理想的な屋根材です。また、酸・アルカリにも強いことから、大切な住まいを酸性雨から守ってくれまます。
日本の気候、風土に育まれ、様々な自然災害に耐えながら現代へと伝えられてきた瓦。その強さは、1,400年余りの歴史が保証してくれます。耐久性に優れ、丈夫で長持ち、メンテナンスも手軽なことから、長い目で見れば経済的にも優れた屋根材だと言えるでしょう。